LHD低温システムの性能再確認試験と2017年の運転成果

Re-examination of refrigeration power of the LHD cryogenic system and the 19th operation in 2017


三戸 利行, 岩本 晃史, 濱口 真司, 森内 貞智, 大場 恒揮, 鷹見 重幸, 野口 博基, 高畑 一也, 柳 長門, 今川 信作 (NIFS); 熊木 卓也, 小原 浩二, 信時 実 (大陽日酸)


Abstract:LHDは総ての磁場閉込めコイルを超伝導化した世界初のヘリカル型の核融合プラズマ実験装置である。2015年8月のメンテナンス期間中にヘリウム液化冷凍機コールドボックス部の火災事故が発生し、コールドボックス内の多層断熱材や温度センサー等の部材及び計測機器が焼失した。2015年11月より復旧工事を行い、2016年7月末に工事が完了した。2016年8月にヘリウム液化冷凍機の単独冷凍運転を行い、20年前に行った性能試験の結果と比較した。4.4Kの等価冷凍能力は、9.16 kWであり、20年前に測定した性能9.38 kWに対して約2%のごく僅かな冷凍能力の低下が測定された。この冷凍能力の低下は火災事故の影響ではなく、18年間の経年劣化によるものと推定される。LHDは2017年1月から運転を再開し、8月末までの重水素プラズマ実験及び超伝導システム昇温運転を無事に完了した。LHD超伝導・低温システムの運転経過、復旧、再稼働後の状況について報告する。