Nb3Al Superconducting Wires through the Rapid-Heating/Quenching Treatment in an Open Air
菊池 章弘, 飯嶋 安男, 櫻井 義博, 土谷 悦子, 瀧川 博幸, 金井 秀之 (NIMS); 土屋 清澄 (KEK); 内田 聖, 古川 大, 則本 知哉, 西岡 美紀, 中村 一也, 高尾 智明 (上智大)
Abstract:急熱急冷法Nb3Al線材のキロメートル級長尺丸線材の製法は大きく3つの工程で構成されており、それらは(1)ジェリーロール法による前駆体線材の製造、(2)急熱急冷処理による過飽和固溶体の生成、(3)連続めっきによる安定化銅の付与、である。本線材が広く実用されるには、臨界電流密度をはじめに優れた高磁場特性が得られるということと共に、汎用性に優れたプロセスであることが重要である。本研究は、先の3つの工程の内、(2)急熱急冷処理の大幅な簡素化及び装置の低コスト化に資するべく、大気暴露下での急熱急冷処理を試みた。急熱急冷処理で線材は、2,000℃の高温に曝されるため著しい酸化が懸念され、ここ20年以上もの間、高真空中で処理を行うことが定説であった。今回、はじめて大気暴露下で急熱急冷処理を実施した。真空処理と大気処理の違いが、Nb3Al線材の特性及び組織に及ぼす影響について研究した。