磁気顕微法を用いた外部磁界ならびに通電電流の同時印加環境下におけるRE-123線材の磁化緩和特性評価と解析

Measurement and Analysis of Magnetization Relaxation Properties in RE-123 Coated Conductor under the Application of both External Magnetic Field and Transport Current


久島 宏平, 沼田 尚大, 東川 甲平, 小野寺 優太, 鈴木 匠, 井上 昌睦, 木須 隆暢 (九大)


Abstract:RE-123線材は、高磁界マグネットへの適用が期待されている。一方、同線材はテープ形状をしているために、磁化の影響が大きく、マグネット応用時の磁界の空間均一性や時間安定性に大きな課題を抱えている。従って、同線材の磁化やその時間変化のメカニズムを解明した上で対策をとることが不可欠であるが、一般には線材全体として、あるいはコイルとしてのマクロな現象しか評価されておらず、詳細な電磁現象の解明が困難となっている。また、マグネット応用時には線材には輸送電流が印加されるが、一般的な磁気的測定ではその影響が明らかとなっていない。そこで本研究では、マクロな磁気モーメントを評価する手法ではなく、空間分解能を有する磁気顕微法によって、通電電流印加環境下におけるRE-123線材の磁化緩和特性を評価するとともに、そのモデル化について検討した。