超電導高勾配磁気分離法を用いたセシウム汚染土壌の減容化

Volume Reduction of Cesium Contaminated Soil by High Gradient Magnetic Separation Using Superconducting Magnet


行松 和輝, 堀江 裕貴, 秋山 庸子, 三島 史人, 西嶋 茂宏 (阪大)


Abstract: 福島第一原子力発電所事故に伴い大量に排出されている除染土壌等の減容化のため、磁気分離法を利用した新たな減容化技術を開発した。本手法は湿式分級で得られた高線量の粘土・シルト分に超電導磁石を用いた高勾配磁気分離を施し、セシウムを強く吸着する2:1型粘土鉱物のみを選択的に分離することで、減容化の効果をさらに高めるものである。まず土壌の粒度分布を考慮した粒子軌跡シミュレーションとモデル土壌を用いた実験によって分離条件を検討し、最大磁束密度7 Tの条件において粘土混合物から2:1型粘土鉱物を97%の分離率で分離できた。この結果をもとに福島県内にて超電導磁石を用いた実汚染土壌の分離実験を行い、土壌の比放射能の低減を確認した。