低温成膜手法により作製したBaHfO3添加SmBa2Cu3Oy薄膜線材の低温強磁場中磁束ピンニング特性

Flux pinning property at low temperatures and high magnetic fields in BaHfO3 doped SmBa2Cu3Oy superconducting films fabricated by the low-temperature growth technique


土屋 雄司, 三浦 峻, 道木 裕也, 一野 祐亮, 吉田 隆 (名大); 淡路 智, 渡辺 和雄 (東北大); 松本 要 (九工大)


Abstract:低温成膜(LTG)法により作製したBaHfO3(BHO)添加SmBa2Cu3Oy (SmBCO)超伝導膜は、短く細いBHOナノロッドを高密度に導入可能であり、20 K以下の低温域での巨視的ピン力密度Fpが他の比較的高いことが特徴である。これまで、LTG試料における低温域での輸送測定の結果、17.5 Tまでの磁場下ではFpが飽和していなかった。そこで、本研究では、LTG試料における低温域の強磁場中磁束ピンニング特性を議論するため東北大学金属材料研究所強磁場超伝導材料研究センターにおける25Tハイブリッドマグネットと、新たに開発した25T無冷媒超伝導マグネットを用いて25 Tまでの強磁場下におけるJcの温度、磁場、磁場印可角度依存性測定を行った。結果、4.5vol%BHO添加SmBCOにおけるFpの磁場依存性から、最大Fpを示す磁場は20-50 Kで9.5-11 T、4.2 Kで21 Tと低温域で急激に増加することが明らかとなった。また、低温域におけるJcの磁場印可角度依存性は有効質量モデルに近いランダムピン的振る舞いを示した。これは、20 K以下の低温域における磁束ピンニングは、ナノロッドよりサイズが小さく、相関性が低いピンニング中心が支配的であることを示唆している。