交流プログラマブルジョセフソン電圧標準による実効値10 Vでのサーマルコンバータの評価

Evaluation of a thermal converter using an AC-Programmable Josephson voltage standard at the root-mean squared value of 10 V


天谷 康孝, 丸山 道隆, 山森 弘毅, 島崎 毅, 浦野 千春, 藤木 弘之, 金子 晋久 (産総研)


Abstract:交流電圧標準は、サーマルコンバータと呼ばれる電気-熱変換素子を用い、直流との熱量比較により導かれる。しかし、100 Hz以下では熱伝導が複雑になるため、測定精度が低下する課題がある。この課題を解決するため、産総研では、量子力学的に安定なD/Aコンバータとして動作するプログラマブルジョセフソン電圧標準(PJVS)の交流応用(PJVS)を進めてきた。これまで、ジョセフソン接合アレーの集積度を高めた20 Vチップを用い、実効値10 Vの交流波形生成に成功した。さらに、サンプリング測定を駆使し、約1 ppmレベルの交流電圧の測定不確かさを実証した。そこで、本発表では、サーマルコンバータによる従来方式との直接比較を行うため、実効値10 VでのAC-PJVSによるサーマルコンバータの低周波特性の評価結果を報告する。