高温超伝導SQUIDを用いた金属管のリモート非破壊検査手法の開発
-その2-

Development of remote NDE method for metallic pipes using HTS-SQUID
-No.2-


廿日出 好, 小林 奉樹, 中家 早紀, 増谷 夏輝 (近大)


Abstract:我々は,原子力発電所の配管のように容易に人がアクセスできない構造物のリモート非破壊検査技術として,超音波ガイド波と高温超伝導SQUIDを組み合わせた新技術を開発している.今回,超音波ガイド波の発生機構として磁歪式コイルを適用し,ガイド波由来の磁気信号をSQUIDで計測できるかを実験的に調べた.直径110 mm,厚さ3 mm,長さ1.5 mのアルミ管をサンプルとし,磁化したニッケル薄板を送信部と受信部に接着した.送信部側にはコイルを巻きつけ,受信部側には冷凍機冷却したHTS-SQUIDグラジオメータをリフトオフ2 mmで設置した.送信部側コイルに1 App,30 kHz,1サイクルの正弦波バースト波電流を流して超音波ガイド波を発生させ,1105 mm離れた受信部のSQUIDでガイド波由来の磁気信号を計測した.この結果,SQUIDより約80 mm送信部に近い場所に設置した圧電フィルムPVDFで計測されたガイド波とほぼ同期した,ガイド波の透過波および反射波由来の磁気信号がSQUIDで計測された.実験の結果からPVDFおよびSQUIDで直接・間接的に計測したガイド波はねじれ波T(0,1)モードであることが推定された.