ソレノイド型とスプリット型コイルを用いた超電導バルクのパルス着磁とシミュレーション

Pulsed field magnetizing characteristics of rectangular-shaped GdBaCuO bulk using split- and solenoid-type coils


高橋 圭太, 藤代 博之 (岩手大); AINSLIE Mark (Cambridge 大); 内藤 智之 (岩手大)


Abstract:高温超電導バルク磁石のPFM (Pulse Field Magnetization) において、磁束運動に伴う発熱が捕捉磁場特性を著しく低下させる。当研究室では、ソレノイド型コイルを用いたマルチパルス着磁は発熱の抑制に有効であるとして5.20 T (30 K) を達成した。この他、スプリット型及びボルテックス型コイルの利用により捕捉磁場の向上が報告されている。本研究では、着磁面積が広く応用に適した四角形GdBaCuOバルクにPFMを適用し、ソレノイド及びヨークを挿入したスプリット型コイルを用いてパルス着磁特性の比較を行った。ソレノイド型では歪んだ捕捉磁場分布を示し、バルク中心における最大捕捉磁場Bzは1.73 T(40 K)であった。対して、スプリット型では比較的均一な分布と共にBz = 3.09 T(40 K)を記録し、着磁コイルの違いとヨークの存在が着磁特性に影響を与えるとされている。これらの実験結果を基に着磁シミュレーションを行うことにより、捕捉磁場向上のメカニズムについて議論する。