Critical current properties of Ag-added and RE-mixed REBCO melt-solidified bulks
瀬戸山 結衣, 松本 和也, 岸尾 光二 （東大）； 佐藤 巧望, 下山 淳一 （青山学院大）
Abstract:REBa2Cu3Oy (REBCO, RE123)溶融凝固バルクへのAg添加は機械的強度改善に有効であることが知られている。またAgの一部がRE123のCu-O鎖のCuサイトに置換することで磁束ピンニング力が向上し、臨界電流特性が改善することも指摘されている。本研究ではGd, Dy, Y, Erの中から1〜2種類のREを用いたAg添加REBCO溶融凝固バルクの育成条件や酸素気流中でのポストアニールの最適条件の確立を試み、その超伝導特性を評価した。その結果、Ag添加により試料への酸素アニールの最適温度が25〜50℃低下した。また、Ag添加によるピン力向上も見られ、例えばGd123とDy211の混合粉末から作製した試料(Gd,Dy)BCOにおいて、種結晶から鉛直方向に3 mmの位置から切り出した試料片でのJcが、60 K, 2 Tで1.3 × 105 A cm-2から1.7 × 105 A cm-2へ、40 K, 2 Tで2.8 × 105 A cm-2から3.7 × 105 A cm-2へ向上した。