高磁場MRI用高温超電導磁石の開発(16年春)
-工業製品化を前提とするMRI用REBCOコイルシステムの開発-

Progress in the development of an HTS magnet for ultra-high field MRI (2016 spring)
-Development of REBCO coil system premised on commercial reality-


石山 敦士 (早大); 植田 浩史 (岡山大);野口 聡 (早大); 浦山 慎一, 福山 秀直 (京大); 宮崎 寛史, 戸坂 泰造, 野村 俊自, 来栖 努 (東芝)


Abstract:我々は、日本医療研究開発機構 (AMED) の未来医療を実現する医療機器・システム研究開発事業「高磁場コイルシステムの研究開発」で、10T級 (9.4T) のREBCOコイルを用いたヒト全身用MRIの実現を目指して3年間研究開発を実施してきた。その中で、全身用9.4T-MRI装置のためのREBCOコイルシステムを、「工業製品として成り立たせる」ことを前提・眼目として、REBCOコイルシステムの設計・製造・運転の各ステージにおける開発課題を明確にし、これらを一つ一つ克服していくための方策を、精密な数値解析と検証実験により、産学が一体となって確立・検証してきた。MRI用に限らず、REBCOコイルは、すでに基礎・基盤技術の確立のための研究をしている段階から、実際の応用実現を可能とする技術開発、そして、それらに基づいて工業製品として設計・製造するための技術開発のステージに引き上げていかなければならない段階に至ったと考える。本プロジェクト終了に当たり、今後の研究開発の道筋について考察した内容を報告する。