高磁場MRI用高温超電導磁石の開発(16年春)
-REBCOマルチコイルにおける遮蔽電流による不整磁場の低減法-

Progress in the development of an HTS magnet for ultra-high field MRI (2016 spring)
–Reduction technique of irregular field induced by shielding currents in REBCO multi-coil–


小曽根 裕一, 王 韜, 石山 敦士 (早大); 植田 浩史 (岡山大); 野口 聡 (北大); 宮﨑 寛史, 戸坂 泰造, 野村 俊自, 来栖 努 (東芝)


Abstract:我々は,日本医療研究開発機構(AMED)の未来医療を実現する医療機器・システム研究開発事業「高磁場コイルシステムの研究開発」の一環として10 T級ヒト全身用MRIへの適用を目指した高温超電導コイルの研究開発を行っているREBCOコイルでは,遮蔽電流による不整磁場が,発生磁場の空間的均一性や時間的安定性に影響を及ぼす。さらに,MRIでは複数のコイルを使用したマルチコイル構造が用いられるため,各コイルの発生磁場が相互に影響し合い,遮蔽電流がより複雑に誘導される。そのため様々な励磁条件における遮蔽電流磁場の振舞いを明らかにする必要がある。今回は,REBCOマルチモデルコイルを作製し,遮蔽電流磁場の低減に適したオーバーシュート量について実験と数値解析により検討したので報告する。