Fabricaton of Artificial Pinning Centers to Niobium film by means of nano-scaled electrical lithography technique.
中村 貞治, 一野 祐亮, 吉田 隆 (名大)
Abstract:これまで、最適なAPC導入のために様々な研究が行われてきた。その中でもNbやAlといった金属系の超伝導体薄膜においてAPCの配置パターンの最適化のため、規則的もしくは一部を不規則にした配置のAPCがフォトリゾグラフィーや収束イオンビームといった技術を用いて導入されてきた。しかし、前者はマスクが必要となるため、APCの形状及び配置のパターン変更の手間が多く、後者は大型の施設が必要となる。今回我々が用いた、AFMナノ電極リソグラフィー技術では、マスクパターンを必要とせず、イオンビーム装置よりも装置が小型で簡便である。そのため、APCの形状及び配置パターンの素早い変更が可能である。本研究では、AFMナノ電極リソグラフィー技術を用いることでNb薄膜中に様々なピン配置及び形状のピンを導入し、磁場中超伝導特性を明らかにすることを目的とした。現在、常温でスパッタ成膜したNb薄膜にドーナツ型及びドット形状のAPC(酸化物ニオブ)を四角格子に配置して導入することに成功している。ドット形状で導入したAPCのサイズは高さが数nm、直径が数百nm、ドット同士の間隔は1μmである。Tc近傍においてAPCを導入したサンプルは非導入のサンプルよりも磁場中臨界電流特性が低かったが、これは過密にAPCが導入されていることにより、磁束の通路が形成され、磁束の移動が容易になったことで引き起こされたと考えられる。当日はピンの数密度を変更したサンプルとの超伝導特性の比較も行う予定である。