Development of a Tool to Analyze Coil Temperature for Consideration to Protect Conduction-Cooled High-Temperature Superconducting Coils
中川 竜司, 堀 知新, 今村 幸信, 田中 秀樹 (日立)
Abstract:伝導冷却型高温超電導コイルは常伝導転移した場合、コイル温度が上昇して劣化し易いという課題がある。電源接続中のコイルの常伝導転移時において、電圧をトリガにして電源を遮断した場合の保護の成否を判定する為に、コイル温度の計算ツールを開発した。本ツールでは、線材長手に垂直な方向を断熱とした1次元熱伝導解析と、電源遮断による保護動作を模擬した電気回路解析とを連成し、過渡的なコイル温度を計算する。入力パラメータとして、常伝導領域の初期長さと常伝導転移温度を変化させる事で、多様なホットスポットの成長をシミュレートし、一つの電源遮断条件において到達し得る最大のコイル温度を探索出来る点が本ツールの特徴である。電源遮断条件は、遮断実行の判断基準となるコイル電圧と、遮断完了までに要する時間をパラメータとして入力する。本ツールにより、MgB2φ100mmコイル(インダクタンス:8.4mH)の温度25K、電流値300Aでの常伝導転移時には、コイル電圧が300mV以下の時に遮断すれば、コイル温度175K以下にできる解析結果を得た。これを基に遮断条件を設定し、3度の常伝導転移と電源遮断を伴う通電試験を実施した。その結果、コイルは常伝導転移を繰り返してもその臨界電流値は変化しないことを確認した。