HTSマグネットを用いたNMR/MRI開発における要素技術 (2)
低包晶点Yb123バルクの結晶成長を利用いたGd123テープ線間のブリッジ接続

Element technologies for NMR/MRI development using HTS magnet (2)
A bridge joint between the Gd123 coated conductors by crystal growth using a low peritectic point YbBCO bulk


金 新哲, 柳澤 吉紀, 前田 秀明 (理研); 高野 良紀 (日大)


Abstract:今まで我々は、製造技術が確立されているY123バルクの結晶成長を用いて、Gd123テープ線材とY123バルク間の超伝導接続について基礎的な研究を行ってきた[1]。モデル実験の結果、バルクと線材の接続面は1.25MPa (50 N)のせん断応力(線材間の半田付け接続の38%)及び10Aの臨界電流を持つ超伝導接続が測定でき、このようなことは実用超伝導接続の実現可能性を示す。接続方法は熱処理温度によって分類され、REBCOの相図からみれば、固相拡散または包晶点以下での溶融拡散、そして包晶点以上に昇温した後に包晶点以下での結晶成長を利用する3つの方法がある。今回行ったのは3番目の方法で、線材のGd123層間にRE123の包晶バルクによって結晶的に接続する方法(Crystalline joint by peritectic bulk)であり、CJPBと称する。前回報告したCJMB法は溶融(分解溶融)バルクを用いた方法であり、上記の固相拡散法の除いた2番目と3番目の方法が含まれる。なお、線材長さ方向で接続部のみ部分的に加熱するため、赤外線導入加熱装置を開発した。それを用いて包晶点が低いYb123バルクで線材の最高温度約800℃で接続体の試料が作製でき、今後は再酸素化処理を行ってからそのI-V特性などの測定を行う予定である。

[1] 金新哲,前田秀明,柳澤吉紀,“高温超伝導線材の低抵抗接続体および接続方法”, 特願2014-19034,2014.02.04