磁気分離を用いた放射能汚染汚泥の簡易な除染技術の検討

Study of easily decontamination of radioactive contaminated sludge by magnetic separation.


佐藤 翔大, 酒井 保藏, 高橋 克哉 (宇都宮大)


Abstract:放射能で汚染された下水汚泥には、放射性セシウムが粘土粒子に吸着した状態で捕捉されているといわれている。この粘土粒子は常磁性であり、原理的に磁気分離が可能である。このことから、本研究では放射性セシウムを含む模擬汚泥を前処理を行わずに磁気分離し、除染を試みるとともにその効率を検討した。本実験にはアクリルパイプ(50cm,φ40mm)中に磁極間隔が25mm、最大磁束密度が1Tのマグネットバー(40cm,φ25mm)を挿入したものを磁気分離カラムとして使用した。これに模擬汚泥を通すことによりマグネットバーの高密度の磁束帯部に粘土粒子を含む汚泥が輪状に付着した様子が確認できた。同時に吸着された粘土粒子を含む汚泥は濃縮されるため、体積減少分以上の放射能濃度の減少が確認できた。これを5回に分けて繰り返し分離したところ、最終的には汚泥体積の約8割が通常廃棄物として処理できるまで除染できることが示された。