Study on Improvement of Heat Transfer Capacity in Nitrogen Thermosyphon Heat Pipe
大関 宏央, 安齋 裕貴, 岡村 哲至 (東工大)
Abstract:窒素を作動流体とするサーモサイフォンの熱輸送限界を調べ、その原理を考察した。単管サーモサイフォンは熱入力が大きくなると伝熱能力が著しく低下した。これは上昇する蒸気が液の還流を妨げ、液貯部が空焚きになることで伝熱能力が低下するフラッディング限界によるものと考えられる。また、管内を二重管構造にして内管を蒸気が上昇し、外管を液が還流する二重管サーモサイフォンについても熱輸送限界を調べた。なお、二重管サーモサイフォンは内管径によって気体流路比(=気体流路断面積÷全流路断面積)を変化させ、単管サーモサイフォンと比較した。気体流路比が0.2では単管サーモサイフォンの1.6倍、0.5、0.56では少なくとも2.5倍以上限界熱輸送量が向上した。二重管サーモサイフォンにおいて熱輸送限界が生じた原理としては、蒸気が内管を上昇する際の圧力損失で液貯部が相対的に高圧となり液が上昇し、最終的には外管でフラッディング現象が発生して空焚きとなったと考えられる。