リアクト・アンド・ワインド法によるヘリカルコイル巻線の概念検討

A conceptual design of helical winding with the react-and-wind method


今川 信作 (NIFS)


Abstract:ヘリオトロン型核融合炉のヘリカルコイルにNb3Snケーブル・イン・コンジット(CIC)導体の採用を検討している。CIC導体は直径1 mm程度の超伝導線と銅線を多重に撚り合わせたケーブルを金属管(コンジット)に収納したものであることから,ケーブルの最終撚り方向と同じ方向にコンジットを捩ることによって超伝導線には張力が働く。一方,超伝導線とコンジットの熱膨張係数の違いにより,生成熱処理によって超伝導線に0.7%程度の圧縮ひずみが生じて臨界電流が大きく低下するので,熱処理後に導体に捩りを加えると圧縮ひずみの緩和により臨界電流の回復が期待できる。そこで,円筒ボビンでCIC導体の熱処理を行った後,バネを引き伸ばすように導体に捩りを加えながらヘリカル形状に巻線する「リアクト・アンド・ワインド法」の適用を検討している。ヘリカル巻線の概念設計と導体捩りの基礎実験について報告する。