小型NMR relaxometry装置に用いる高温超伝導バルク体マグネットの磁場均一度向上に関する研究

Numerical study to improve the field homogeneity of HTS bulk magnet for compact NMR relaxometry


宮澤 大輝, 北条 勝也, 野村 亮太, 深田 進, 金 錫範 (岡山大)


Abstract:近年,核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance : NMR)分光法はタンパク質の機能・構造解析に有効なツールとして注目され,装置の性能向上が進められている.現在,装置の高磁場化が進められる一方で装置の大型化,高コスト化により個人が手軽に使用できる装置とは言えないのが現状である.そこで,我々は,NMR装置のコンパクト化,低コスト化を目的として高温(酸化物)超電導バルク体を用いる新しい概念のNMR装置開発を目指した研究を行っている.
しかし,高温超電導バルク体を用いて,通常のNMR装置で必要とされている磁場強度4.7 T,磁場均一度0.01 ppmを液体窒素温度(77.4 K)で達成するのは非常に困難である.そこで,我々は,要求される磁場強度が1.5 T(64 MHz)と磁場の空間均一度が150 ppmであるNMR relaxometry装置の開発を目指した研究を行なっている.
NMR relaxometry装置用マグネットの目標である1.5 Tの磁場強度を液体窒素温度で発生させることは,内径20 mm,外径 60 mm,高さ5 mmのバルク体を積層構造にすることによって可能であるものの,もう1つの目標である150 ppm/cm3の磁場均一度を得ることは非常に難しいのが現状である.そこで,本研究では,バルク体形状の最適化を提案することで磁場均一度の向上を図ったのでその結果について報告する.