グラファイトシートを用いた柔軟性のあるサーマルシールドの開発

Development of a flexible thermal shield with a graphite sheet


高畑 一也 (NIFS)


Abstract:核融合装置では、常温のプラズマ真空容器と極低温の超伝導マグネット間の狭い空間に100 K近傍のサーマルシールドを設置する必要がある。従来、このサーマルシールドにはステンレス薄板を用いていたが、熱収縮による変形を吸収するための分割構造や滑り機構が必要となっていた。この構造の複雑さを軽減するために、柔軟性があり、軽量で、熱伝導に優れたシート材を新たに提案する。提案するシート材は、グラファイトシートとポリイミドフィルムを積層した構造で、表面にアルミニウム蒸着を施す。本研究では、厚さ25 μmのグラファイトシートの面内方向熱伝導率を低温で測定し、銅に匹敵する熱伝導率を得た。この結果を基に、サーマルシールドの概念設計を行った。