Influence of oxygen annealing temperature on the in-field properties of TFA-MOD (Y0.77Gd0.23)Ba2Cu3O7-δ coated conductors
関 翼, 佐藤 迪夫, 三浦 正志 （成蹊大）； 中岡 晃一, 和泉 輝郎 （SRL）
Abstract:Trifluoroacetates Metal Organic Deposition(TFA-MOD)法REBa2Cu3O7- (REBCO)線材は、装置コストが低く、原料高収率であるため低コスト化が期待されている。また、安価な液体窒素(77 K)下において、高い超伝導特性を有するため電力機器応用にも期待されている。しかし、磁気共鳴画像診断(MRI)装置や超伝導電力貯蔵装置(SMES)などの機器応用には更なる磁場中臨界電流密度(Jc)の向上が必要である。磁場中Jc向上には①Y/RE置換やキャリア制御による自己磁場Jc向上、②ピンニング点導入によるピンニング力の向上が考えられる。これまで我々は、Yの一部をGdに置換した(Y0.77Gd0.23)Ba2Cu3Oy((Y,Gd)BCO)線材の作製によりJcs.f.向上、BaZrO3ナノ粒子導入によるピンニング向上に成功し高い磁場中特性を得てきた[1,2]。しかし、キャリア制御がTFA-MOD法(Y,Gd)BCO線材の磁場中超伝導特性に及ぼす影響については明らかになっていない。
本研究では(Y,Gd)BCO線材を作製し、酸素アニール温度を250~500 ℃と変化させ[3]、それらが磁場中超伝導特性に及ぼす影響を検討した。
その結果、300 ℃線材は最も高いJcs.f.=4.8 MA/cm2(77 K)を示した。それぞれの温度で作製した線材の磁場中特性を評価した結果、異なる磁場中特性を示すことが確認された。当日の発表では、酸素アニール温度による臨界温度、上部臨界磁場、不可逆磁場、異方性パラメーター、ピンニング点の違いが超伝導特性に及ぼす影響について議論する。
[1] M. Miura, et al., APEX 2 (2009) 023002
[2] M. Miura, et al., SUST 26(2013) 035008
[3] T.Seki, et al., ISS2014 WTP-21