Ni合金補強の高強度Bi-2223線材の熱暴走により生じる座屈のメカニズム

Buckling of a Ni-alloy reinforced high-strength Bi-2223 conductor due to a thermal runaway


名和 雅斗, 李 晶, 齋藤 明子, 中込 秀樹 (千葉大); 梶田 健太朗, 高尾 智明 (上智大); 柳澤 吉紀, 前田 秀樹 (理研)


Abstract:プレ引張を施したNi合金で補強した高強度Bi-2223線材はコンパクトな高磁場磁石を実現するうえで重要な技術である。しかしながら、我々の以前の実験によれば、この線材で巻いたコイルが熱暴走を起こすと、補強材の内部ひずみが開放され、隣接する数ターンの線材の連鎖的な座屈破壊が起きる。実コイルでこの現象が起きると、アークが生じコイルが破壊される。この現象の詳細なメカニズムと対策法を確立するために、モデル試験を行ったところ、(1) 線材に曲げひずみがかかっている場合に座屈がより破壊的になること、(2) 線材に十分な横圧縮を加えることで座屈が防がれること、を明らかにした。