非絶縁REBCOコイルの熱暴走に冷却が与える影響

Effect of cooling on a thermal runaway for a no-insulation REBCO coil


柳澤 杏子, 末富 佑, 名和 雅斗, 李 晶, 齋藤 明子, 中込 秀樹 (千葉大); 柳澤 吉紀, 前田 秀明 (理研)


Abstract:線材の絶縁を使用しない非(無)絶縁巻線法は、200 A/mm2を超える高電流密度の高温超伝導パンケーキコイルの保護技術として使用できる。2013年度秋季低温工学で発表したように(柳澤吉紀他、2013年度春季低温工学・超電導学会、1A-a03)、非絶縁REBCOコイルでは、熱暴走の開始とともに電流が径方向に流れ始め常伝導領域がパンケーキ全体に急速に伝播して、コイルエネルギーが急激に減衰し、電極間を緩く回る1ターンだけが残る(1ターンモード)。さらに電流を流し続けると、電極間がショートし激しい昇温が生じて危険な状態になる(短絡モード)。コイル運転としては、熱暴走発生時に励磁回路を開いてコイルを保護する。しかし、これは冷却効果が十分な場合である。実際のコイルオペレーションにおいて冷却は理想的な状態とは限らず、コイルの安定性・保護の観点から熱暴走からの回復と冷却の関係が重要である。本報では、非絶縁REBCOコイルにおける冷却が熱暴走の発生と、その後のオペレーションに与える影響を調べたので報告する。本研究の一部はJSPS科研費26820107によって行われたものである。