高温超電導バルク体と永久磁石を用いた非接触型超電導回転機に関する基礎研究

Fundamentaled study on the Non-Contact Levitated Rotating machine using HTS bulks and Permanent Magnets


中村 幸平, 岡村 亮太, 金 錫範 (岡山大)


Abstract:非接触回転は,固体接触や摩擦がないため,潤滑剤が不要でありエネルギーロスがない.また,真空やクリーン環境への対応,メンテナンスの必要が軽減されるなどの多くの利点が得られる.なかでも,超電導体による磁気浮上では,浮上に関しては能動的な制御が必要なく,簡単かつ安定に浮上が得られる.これにより,装置自体が簡略化でき,また小型化を行うことができる.これらの理由により,本研究ではリング型の高温超電導体と永久磁石を用いた非接触型の浮上システムを提案した.この浮上システムでは,浮上体である永久磁石自体が直接超電導体を着磁する構造になっているため,着時用の磁場源が不要で,かつシステムを小型化することができる.また,固定子コイルと永久磁石による回転機構をシステム中央に配置することで,浮上させた永久磁石と鉄軸を同期機の原理で回転させることができるため,非接触型回転機として用いることができる.そこで,本研究では,胃腸用の撹拌脱泡ミキサーに応用することを目的としている.
我々は,6極固定子コイルと非接触浮上システムをしようして840 rpmの回転を得た.しかし,軸にブレがあり回転が安定しないという問題点がある.また,医療用ミキサーに応用するには回転数が不十分である.そこで様々なタイプの固定子及び回転子を使用することによって,回転安定性及び回転子を使用することによって,回転安定性及び回転速度の向上を目的として実験を行ったので報告する.