RE混合REBCO溶融凝固バルクにおけるRE211析出物のサイズの決定因子

Determinants of size of RE211 precipitates in RE-mixed REBCO melt-solidified bulks


瀬戸山 結衣, 荻野 拓, 岸尾 光二 (東大); 下山 淳一 (青学大)


Abstract:REBCO溶融凝固バルクでは、RE123超伝導母相とRE211非超伝導相の界面が低磁場で磁束ピンニングセンターとして働くため、211析出物の微細化は高Jc化に重要である。本研究では、初期の123相粉末と211相粉末で異なるRE元素を用いたRE混合REBCOバルクについて、最終的な組織の211析出物のサイズがRE元素の組合せによって変化することを見出し、その決定因子の解明を目指した。部分溶融状態から急冷させた試料の微細組織を観察した結果、部分溶融状態の時点で最終的な211析出物の大小が決定していることが明らかとなった。また、123相の包晶温度の違いにより、溶融過程での液相生成のタイミングや凝固過程での包晶反応開始の温度が変化したことが、最終組織の211析出物のサイズに影響したことが示唆された。本研究を通じ、123相の包晶温度が低いREを211相原料に用いることが最終組織の211析出物の粗大化抑制に有効であることが指摘できる。