Microstructural analysis of Bi2223 wire by X-ray micro-CT
井上 昌睦, 東川 甲平, 木須 隆暢 (九大)
Abstract:Bi2223線材の臨界電流密度Jcが線材長手方向に分布を有していることが走査型磁気顕微鏡等の実験により明らかとなっている。この原因を考察するためには微細構造の解析が必要不可欠であるが、一般的に行われる高分解能光学顕微鏡やSEMでの観察では試料の破壊を伴うため、Agを母材として多数のフィラメントから成るBi2223線材の構造を3次元的に明らかとすることは困難である。そこで、本研究ではX線マイクロCTを用いて、Bi2223線材の微細組織を非破壊かつ3次元で観測することを試みた。その結果、低Jc領域ではフィラメントが乱れていることが確認された。これは、電流パスの等価的な断面積が低減していることを示している。
本研究の一部は、JSTの戦略的イノベーション創出推進プログラム(S-イノベ)「次世代鉄道システムを創る超伝導技術イノベーション」の支援によって行われたものである。