超1 GHz NMRの開発(5)
1020 MHz NMRマグネットの磁場補正

Development of beyond 1 GHz NMR spectrometer (5)
- Shimming for the 1020 MHz NMR magnet


井口 聖威也, 高尾 智明 (上智大); 柳澤 吉紀, 高橋 雅人, 前田 秀明 (理研); 端 健二郎, 大木 忍, 松本 真治, 西島 元, 野口 隆志 (NIMS); 末松 浩人, 田中 良二 (JEOL RESONANCE); 斉藤 一功 (神戸製鋼); 清水 禎 (NIMS)


Abstract:前報に続き、1020 MHz LTS/Bi-2223 NMR磁石における磁場補正について報告する。今回のHTSコイルでは、超伝導シムコイルの持つ能力より1~2桁大きなラジアル磁場不均一成分が発生したので、超伝導シムコイルと室温シムコイルの組み合わせでは、必要とされる均一磁場の発生が不可能であった。LTS/REBCO NMR磁石における別のプロジェクトで、MRIで用いられる“パッシブシム”である鉄シムを、“アクティブシム”のように用いることでこの種の予測不能な不均一成分を補正することが可能であることを示した。1020 MHz LTS/Bi-2223 NMRでもX/Y、ZX/ZY等の低次のラジアル磁場不均一成分が大きく発生し、従来技術では補正できなかったため、この鉄シム技術を適用し磁場不均一成分の補正を試みたので結果を報告する。本研究は国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の研究成果展開事業「先端計測分析技術・機器開発プログラム」の支援によって行われた。