液体水素冷却MgB2線材の磁場下における過電流特性

Over-current Properties of MgB2 Wire Cooled by Liquid Hydrogen under Magnetic Field


松澤 崇之, 堀江 裕輝, 米田 和也, 大浦 洋祐, 白井 康之, 塩津 正博, 畑 幸一 (京大); 達本 衝輝 (原子力機構); 成尾 芳博, 小林 弘明, 稲谷 芳史 (JAXA)


Abstract: 液体水素は大きな潜熱、低粘性係数等の優れた特性を持っており、MgB2を含む高温超伝導体の冷却剤として期待されている。液体水素冷却超伝導機器の安定性設計のためには、高温超電導体の過電流特性を明らかにする必要がある。本研究ではMgB2線材の一般的特性の把握を目指し、MgB2線材の過電流特性を評価した。線材には、CuシースNbバリアMgB2線材を用いた。液体水素中で線材を電流加熱し、線材両端の電圧を測定した。液温はクライオスタット下部に設置したシースヒータにより、21K〜29Kに設定した。液体ヘリウムで冷却されたNbTi超電導マグネットを用いて、線材に0T〜1.2Tの磁場を印加した。実験の結果、MgB2線材の臨界電流は温度と磁場の関数として得られた。過電流が流れた時の線材抵抗は、電流と線材温度の関数として得られた。MgB2部に流れた電流とシース部に流れた電流の分流比及びMgB2部の抵抗率は、過渡加熱法を用いて算出した。