高いフッ素濃度を有する単結晶SmFeAsO1-xFxにおける基礎特性の評価

Characterization of single-crystal SmFeAsO1-xFx with a high fluorine concentration


藤岡 正弥, SALEEM Denholme, 岡崎 宏之, 出口 啓太, 出村 郷志, 山木 琢磨, 山下 愛智, 山口 尚秀, 竹屋 浩幸, 熊倉 浩明, 高野 義彦 (NIMS)


Abstract:従来、1111系の単結晶は高圧高温下でのフラックス法により作成されていた。我々のグループではCsClが石英管と反応性が低い事を利用して、封管により単結晶を育成した。この方法で得られる単結晶はこれまでに報告されていた単結晶に比べて、非常にフッ素が導入されやすく、現在得られている鉄系超伝導体の単結晶としては最高の転移温度(57.5 K)を示している。また、残留抵抗比RRR(R(300K)/R(Tc))の値はこれまでに得られていた単結晶と比較しても非常に高い値を示しており、このような高いフッ素濃度かつ高い結晶性を有する単結晶の基礎特性については研究されていない。本研究ではFIBを用いてデバイスを作成し、異方性等の基礎物性について、フッ素濃度の上昇に伴いどのような変化が現れるか議論する。