高磁場MRI用高温超電導磁石の開発(5)
-遮蔽電流磁場の計算評価-

Development of an HTS Magnet for Ultra-high Field MRI
– Numerical Analysis on Magnetic Field generated by Screening Current -


石山 敦士, 王 旭東 (早大); 戸坂 泰造, 宮﨑 寛史, 野村 俊自, 来栖 努 (東芝); 浦山 慎一, 福山 秀直 (京大)


Abstract:我々は、経済産業省プロジェクトである「高温超電導定磁場コイルシステムの研究開発」で、10 T級のヒト全身用MRIの実現を目指している。高温超電導コイルでは、線材がテープ形状をしているため、遮蔽電流が顕著に誘導され、それによる不整磁場が撮像空間における磁場均一度や時間安定性を損なうことが大きな問題となることが明らかになっている。また、MRIにおいて、撮像空間に均一磁場を発生させるためには、複数のスプリットコイルを組み合わせて実現することになり、各コイルの遮蔽電流分布も複雑になる。今回は、テープ線材の離散的な配置を考慮した最適化設計によって、10 ppm @ DSV 100 mm以下まで均一度を上げた内径200 mmの10 T級均一磁場発生コイルを対象にして、遮蔽電流を電磁場数値解析によって計算した。さらに、DSV 100 mmにおける磁場分布をLegendre級数展開し、設計磁場に対する不整磁場および時間安定性を評価した。