導体試験用15T大口径マグネットの基本設計

Design of 15 T superconducting magnets with a large bore for the conductor test facility


今川 信作, 尾花 哲浩, 高田 卓, 力石 浩孝, 柳 長門, 三戸 利行 (NIFS)


Abstract:ITER用の超伝導導体の最大経験磁場×電流値は,トロイダル磁場コイルが11.8 T×68 kA,中心ソレノイドコイルが13.0 T×46 kAであり,将来の核融合炉にはさらに高磁場かつ大電流の導体が必要とされている。この大電流・高磁場導体においては,電磁力による特性劣化を抑制することが重要課題であり,導体開発には実使用状態に近い電磁力環境を提供できる試験設備が必要である。ITERのR&Dの1つとして製作されたCSモデルコイルは,その内側にインサートコイルを挿入することにより13 Tの外部磁場で外径1.57 mのコイルサンプルの試験が可能であり,優れた試験設備であるが,CSモデルコイルが110トンで支持構造物を合わせると180トンの大型装置であることから,サンプル交換や冷却に数ヶ月を要することが難点である。そこで,コイル形状のサンプルを1回あたり1週間程度で評価できるような試験設備を目指して,既設大型導体試験装置の9 Tスプリットコイルを内径700 mmの13 Tソレノイドコイルに更新する改修作業を進めている。内側にコイルを追加することにより,内径600 mmで最大磁場15 Tに増強可能な設計となっている。このマグネットの基本設計について報告する。