超電導デジタル回路用冷凍機システムの設計

Design of a Cooling System Used for Superconductor Digital Circuits


藤巻 朗 (名大)


Abstract:単一磁束量子回路に代表される金属超電導デジタル回路は集積化が進み、実用システムへの組み込みが検討されている。その際重要となるのが、半導体などの現行技術と比較した場合の優位性である。デジタル回路に関して言えば、冷凍機も含めた消費電力と高速性となる。超電導回路が優位性を維持するためには、集積回路以外での熱を極力抑制する必要がある。同時に室温エレクトロニクスとは広帯域で信号をアクセスする必要がある。今回は、回路の冷却システムにおいて、熱の抑制と広帯域性の確保の両立を目指し、YSZ基板上の高温超電導導波路の導入を検討した。そのほかにも、発熱や熱流入の抑制に向け、幾つかの工夫を施した。その結果、0.1Wの冷凍能力を持つ4K-GM冷凍機下で集積回路を動作させる目処を立てた。当日は、その検討結果について報告する。