密度制御によるRE123焼結体の臨界電流特性の改善

Improvement of critical current properties of RE123 sintered bulks by control of density


下山 淳一, 廣田 哲也 (東大); 今 康一, 市川 直樹, 稲森 聡, 内藤 恭吾 (ティーイーピー)


Abstract:我々は高品質のRE123粉末の製造を行っており、これを用いたRE123焼結体の熱処理条件と微細組織および超伝導特性の関係を調べている。これまで、Y123について焼結後に適切な条件の還元ポストアニールを加えることによって、最終的な酸素アニール後の臨界電流特性が大きく改善することがわかり、20 K、77 KのJcはそれぞれ4100 A/cm2、800 A/cm2に達している。今回は焼結前の成型過程において加える圧力を高めた焼結体を作製し、高密度化による臨界電流特性の改善を試みた結果を報告する。従来80~100 MPaで成型していたところ、圧力を300 MPaに高めるだけで成型体の密度が約25 %向上すること、さらに焼結によりクラックの発生無く高密度化が可能であることなどがわかってきている。Caドープ効果も含めて、密度を制御したRE123焼結体の微細組織と臨界電流特性を報告する。