無絶縁ReBCO線材を巻線したパンケーキコイルの過電流通電特性に関する数値解析・評価

Numerical Analysis of Electrical Behavior in No-insulation ReBCO Coil under Over-Current Condition


王 韜, 池田 愛花, 大木 隆宏, 王 旭東, 石山 敦士 (早大); 野口 聡 (北大); HAHN Seungyong, 岩佐 幸和 (MIT)


Abstract:近年、次世代医療用MRIや生命科学研究用NMRにおいて、高磁場化(MRI用:7T以上,NMR用:24T以上)による高機能化が進められている。これらの応用に対して,我々は、線材に電気絶縁を施さない無絶縁コイル巻線方式(No-insulationコイル、以下「NIコイル」と略記)を高温超電導コイルに採用するための検討を行っている。そして、本来二律背反の関係にある高電流密度化と高熱安定性化の両立の可能性について数値解析と実験により検討を行っている。今回は、NIコイルの過電流通電時の発生磁場の消失という物理現象に着目し、層間接触抵抗、I-V特性を含んだ巻線の電気抵抗および巻線の自己・相互インダクタンスを考慮できる非絶縁コイル巻線の詳細等価回路に基づいた巻線内の電流分布解析と、有限要素法を基づく温度分布解析を連立し、過電流通電時における過渡的振舞いを解析・評価したので報告する。