超電導磁気分離を用いた火力発電所給水中の酸化鉄スケール除去に関する研究

Removal of iron oxide scale using superconducting magnet high gradient magnetic separator from feed-water in thermal plant


水野 信洋, 三島 史人, 秋山 庸子, 西嶋 茂宏 (阪大); 松浦 英樹, 前田 龍己, 重本 直也 (四国総合研究所); 廣田 憲之, 岡田 秀彦 (NIMS)


Abstract:福島第一原子力発電所の事故により多くの原子力発電所が停止したことで、火力発電の稼働率が増加しCO2排出量も増加している。CO2排出量を削減するために、火力発電所の熱交換効率を改善し発電効率の向上することが求められている。本研究では、熱交換効率の低下の原因の一つである配管やボイラーで析出するスケールを削減することを目的としている。スケールは鉄系の粒子であるため、超電導磁石を用いた高勾配磁気分離法の適用を検討している。そこで本研究では高温部であるボイラーの入口に超電導磁石を用いた高勾配磁気分離装置を設置することを想定し、永久磁石を用いて200℃、16気圧の条件で高勾配磁気分離の予備実験を行い高温・高圧条件でも磁気分離が可能であることが示された。この結果をもとに、超電導磁石による高勾配磁気分離を用いたスケール除去システムの検討を行ったので報告する。


本研究は科学技術振興機構における先端的低炭素化技術開発(JST ALCA)[研究題目:磁気分離法による発電所ボイラー給水中の酸化鉄除去]の助成を受けて 実施しています。