ネオジム磁石を内蔵した回転ドラム型磁気分離装置による磁化活性汚泥の連続分離

Continuous Separation of Magnetic Activated Sludge by Rotation Drum Type Magnetic Separator Using Neodymium Magnet


酒井 康平, 酒井 保藏 (宇都宮大); 中岡 潤一, 弓場 誠 (NEOMAXエンジニアリング)


Abstract:磁化活性汚泥(MAS)法とは, 活性汚泥に磁性粉(Fe3O4)を添加し, 磁気力によって固液分離を可能とした活性汚泥法の変法であり, 現在, 都市下水や工業排水用のパイロットプラント(12〜24 m3/d)が運転されている。MAS法では汚泥濃度10,000〜20,000 mg-MLSS/Lで運転されるが、今までこのような高濃度汚泥を十分に磁気分離する実用装置は開発されておらず, 沈殿槽を後段に組み込んだ多段分離方式となっている。本研究では, 金属の切削時の冷却液から金属粉を回収する際に使用されるネオジム磁石を内蔵した回転ドラム型磁気分離装置をベースとして, MAS分離装置として最適化することで, 沈澱池不要で高濃度の汚泥を保持できる, 効率的な処理プロセスの実現を目標としている。分離性能に関して, 以前使用していたベースとなる装置では流量15 L/minのとき流入水中のMLSSは約5,000 mg/L, 流出水中のSS濃度250 mg/Lであり95%の分離率を達成した。今後使用する汚泥用分離装置は構造的に自由度が高いため, 装置内の流れや分離時間を中心とした検討を行い, MAS分離能力の向上を図りたい。