低温下における捻じり振子測定法を用いたパラジウム中水素の量子現象の探査

STUDY OF QUANTUM PHENOMENA PdHx SYSTEM BY TORSIONAL OSCILLATOR TECHNIQUE ON LOW TEMPERATURE


北尾 啓祐 (新潟大)


Abstract:パラジウム中の水素は50K付近において独特な物性を示す。水素原子はfcc構造を持つパラジウムに吸蔵され、そのときの水素密度は固体水素を上回る。またパラジウム中の水素は量子トンネリングによる高い拡散係数を示すことが知られている。加えてバンド計算によるとパラジウム中の水素原子の電気特性は中性に近い結果となっている。本研究において、我々はヘリウムの超流動密度の測定に用いられる高感度捻じり振り子測定法(:Torsional Oscillator以下TO)を採用し、パラジウム中の水素の移動度の測定を行う。先行実験においてはTOセルに共鳴性の高いベリリウム銅製を採用していたが、更に工作性が高く密度が小さい熱処理したアルミニウム合金(A5056)を採用した。本学会において新しい実験系の構築と評価を発表する。