高磁場NMRシステムに向けたスクライビングREBCO線材の開発研究

R&D for scribing REBCO wire toward high-field NMR system


金 新哲, 柳澤 吉紀, 前田 秀明 (理研)


Abstract:NMRには高い磁場均一度が求められているため、磁石の外周のシムコイルによる磁場の精密な調整が不可欠である。しかし、REBCO線材はREBCO層が単芯の薄膜テープになっているため、テープ面に垂直の磁場に対してマイスナー効果による反磁性が大きく、外周のシムコイルからの磁場の制御が効かないことが問題となっている。これを解決するためには、多芯構造としての一つは線材のスリット化が考えられている。スクライビング線材については、すでにREBCOフィラメント幅が1mm程度の開発研究が進められており、本研究では、さらに細い幅0.3mm以下を目標として、線材製造と臨界電流測定および機械特性の評価などを行ったきた。その中で、臨界電流と機械強度がほぼ下がらずにスクライビング線材を製造する技術に結果が得られたので、新しい製造方法と今後の予定について学会当日に報告する予定である。