Toward a super-high field compact NMR magnet operated beyond 1 GHz (3)
- Hoop stress test for a high-strength Bi-2223 coil -
許 一 (千葉大); 井口 聖威也 (上智大); 柳澤 吉紀 (理研); 濱田 衞 (JASTEC); 高尾 智明 (上智大); 中込 秀樹 (千葉大); 松本 真治 (NIMS); 末松 浩人 (JEOL RESONANCE); 金 新哲, 高橋 雅人, 前田 秀明 (理研)
Abstract:1 GHz以上の超高磁場のNMR磁石を実現する候補にはREBCO、Bi-2223、Bi-2212線材がある。ハステロイ基板を用いたREBCO線材は長手方向の引張強度に優れ(~700 MPa)、高いフープ応力で運転できるため、磁石を小型にできるポテンシャルを持つ。一方で、高強度の補強材(Ni-Cr)とプレ圧縮技術を用いた高強度Bi-2223線材が住友電工によって開発され、線材長手方向の引張強度がこれまでの250 MPa程度から400-500 MPa程度へと向上した(Nakashima et al., ASC2014)。Bi-2223コイルはREBCOコイルと比べて遮蔽電流磁場が小さいため、この種の線材がコイルにおいて高いフープ応力に耐えることができれば、超高磁場・コンパクトNMR磁石を実現する有力な候補となる。本報ではこの高強度Bi-2223線材で巻線した内径約120 mm、外径約124 mm、長さ約100 mm、総ターン数130程度のレイヤー巻コイルを、17 Tの磁場中で励磁し、許容されるフープ応力を調べた。本研究は(独)科学技術振興機構(JST)の研究成果展開事業「戦略的イノベーション創出推進プログラム」(S-イノベ)の支援によって行われた。