Toward a super-high field compact NMR magnet operated beyond 1 GHz (2)
- High resolution NMR measurements for the 400 MHz LTS/REBCO NMR magnet -
朴 任中, 中込 秀樹 (千葉大); 井口 聖威也, 高尾 智明 (上智大); 柳澤 吉紀, 金 新哲, 高橋 雅人, 前田 秀明 (理研); 濱田 衞 (JASTEC); 松本 真治 (NIMS); 末松 浩人 (JEOL RESONANCE)
Abstract:1 GHz (23.5 T)の磁場を大きく上回るNMR磁石を実現するには、高温超伝導(HTS)コイルが必須である。HTSにはREBCO、Bi-2223、Bi-2212があるが、磁石を小型にする観点からは、線材長手方向の引張強度が高いREBCOコイルに強みがある。しかしながら、REBCOコイルでは遮蔽電流の影響により、超伝導シムの磁場補正能力が大幅に低下し、コイル中心におけるラジアル磁場不均一成分が消しきれない。その結果、多くの知見を得たものの、高分解能NMR測定に必要な磁場の均一度を実現できないことが、400 MHz LTS/REBCO NMR磁石1号機の試験で明らかになった。次のステップである2号機においてはさらなる進展を目指して、内層Z2シムコイル、鉄シム、超伝導シムコイル、室温シムコイルを組み合わせた磁場補正を行い、1号機で補正できなかったラジアル磁場磁場不均一成分を消すことに成功し、今春の学会で報告した。本報では、2号機においてNMR信号を観測しながらさらに磁場均一度を向上させ、標準試料やタンパク質試料を用いた高分解能NMR測定を行ったので、その結果を報告する。本研究は(独)科学技術振興機構(JST)の研究成果展開事業「戦略的イノベーション創出推進プログラム」(S-イノベ)の支援によって行われた。