ポインチングベクトル法による超伝導変圧器の運転モニタリングシステムの開発7
-負荷変動中の局所異常検出-

Development of a Monitoring System of Superconducting Transformer by Using Poynting’s Vector Method 7
- Detection of local abnormality during load change -


久保 俊貴, 溝上 竜馬, 川越 明史 (鹿児島大)


Abstract:高温超伝導変圧器を安全に運転するためには、運転中に巻線の健全性を常時監視できるシステムの開発が必要である。しかしながら、超伝導変圧器に適した運転モニタリングシステムは開発されていない。そこで、ポインチングベクトル法を応用した、ピックアップコイルを用いる非接触型運転監視システムが提案されている。このシステムは、1. 非接触型測定であるために安全性が高い、2.室温に設置できるのでハンドリングやメンテナンスが容易である、といった特長がある。本研究の目的は、超伝導変圧器巻線に発生した局所的な異常を、実用運転時に近い状況下において、本システムで検出できることを実証することである。定格容量800VAの高温超伝導変圧器を試作し、変圧器に接続した負荷を変動させ、実用運転時を模擬した状態で巻線に局所的な温度上昇を発生させて実験を行った。その結果、本システムによる負荷変動中の局所異常検出が可能であることを、実験的に明らかにした。