Effect of load factor of HTS (Bi-2223 and REBCO) coils on the performance of an outer shim coil
梶田 健太朗, 井口 聖威也 （上智大）； 柳澤 吉紀 （理研）； 濱田 衞 （JASTEC）； 松本 真治 （NIMS）； 高尾 智明 （上智大）； 前田 秀明 （理研）
Abstract:NMR磁石においては、コイルの外層側に設置した超伝導シムによって、磁場の不均一性を補正して均一な磁場を得る。REBCOやBi-2223などの高温超伝導（HTS）コイルでは遮蔽電流の影響で、超伝導シムの磁場補正能力が減少することが、これまでの400-500 MHz LTS/HTS NMR磁石の試験を通してわかっている。本研究では、HTSコイルの負荷率が、外層シムコイルの補正能力に与える影響を調べた。LTS/HTS NMR磁石で使用されたBi-2223コイルとREBCOコイルの外層にラジアル超伝導シムを模擬した銅製の鞍型コイルを設置し、77 Kにおいて磁場補正能力を測定した。REBCOコイルは負荷率が低〜中の領域（0 ~ 60%）では、シムコイルの補正能力が設計値のわずか2 ~ 10%以下であるが、Bi-2223コイルでは18 ~ 33%であった。また、どちらのコイルでも負荷率が8割程度になると、シムコイルの磁場補正能力が顕著に向上（40 ~ 50%）することが明らかになった。本研究は（独）科学技術振興機構（JST）の研究成果展開事業「戦略的イノベーション創出推進プログラム」（S-イノベ）の支援によって行われた。