無冷媒25T超伝導マグネット用HTSインサートの現状と対策

Present status and remedies of the HTS inserts for a 25T cryogen-free superconducting magnet.


淡路 智, 小黒 英俊, 渡辺 和雄 (東北大); 宮﨑 寛史, 花井 哲, 井岡 茂 (東芝); 三好 康之, Chaud Xavier (LNCMI)


Abstract: 現在建設中の25T-CSMの最内層には,Gd123コイルを採用することとなっている。今回は,実機と同じ手法で作製したエポキシ含浸Gd123コイルを, 20Kの伝導冷却下, 18Tの高磁場下でテストを行った。その結果,通電電流130A付近で電圧が発生し,コイルの一部が劣化した。130Aにおける最大hoop応力と径方向応力は,それぞれ約280MPa(ハステロイ換算)と0.4MPaとなる。Hoop応力は十分低いため,今回は,約0.4MPaの剥離応力により線材が劣化したと考えられる。本稿では,それらのR&D試験結果について報告し,Bi系線材も視野にいれた今後のHTSコイルの設計方針について報告する。