超電導サイクロトロンを想定した高強度円形コイルの設計最適化に関する基礎研究

Fundamental study on optimization design of high strength circular coil for superconducting cyclotron


辻 義明, 梅田 大貴, 田代 真樹, 石山 敦士, 山川 宏 (早大); 王 旭東 (早大/KEK); 植田 浩史 (早大/阪大); 渡部 智則, 長屋 重夫 (中部電力)


Abstract:我々は,高温超電導技術を活用した重粒子線がん治療用加速器として,小型の高温超電導サイクロトロンの開発を目指している。コンパクトなサイクロトロンを実現するためには、高磁場と高電流密度が求められ、発生する高いローレンツ力に対する耐性が必須である。先行研究で開発されたYOROIコイル構造は、高強度円形REBCOコイルを実現することが可能であり、コイルの劣化だけでなく変形による磁場精度の低下を防ぐことが期待される。今回は、先に行ったHIMACと同等の出力(400MeV/n, 30nA)の超電導サイクロトロンの試設計で得られたすべてのコイルによる発生磁場を考慮し、サイクロトロンに用いられる円形コイルにYOROIコイル構造を適応した。そこで、磁場精度も含めた補強構造の設計最適化について検討を行ったので報告する。