超電導フライホイール蓄電装置用高熱伝導・複合回転シャフトの開発

Development of High-λMulti-Material Shaft for Superconducting FESS


山下 知久, 小方 正文, 荒井 有気, 長谷川 均 (鉄道総研); 松井 義, 土肥 哲也 (松井鋼材); 上島 史生, 竹谷 剛 (ステンレスプロダクト)


Abstract:鉄道総研は、RE系超電導線材による円形コイルとRE系バルク体を組合せた超電導磁気軸受で大質量フライホイール(弾み車)を非接触支持することを特徴とした超電導フライホイール蓄電装置を提唱し、現在、NEDOの助成を受けて真空中で数トン級の弾み車を3000⇔6000min-1で回転(加速・減速)させ、100kWh超の蓄電と放電が可能なことを実証するモデル機の開発を進めている。
このモデル機では発電電動機と弾み車の中間にはトルク伝達と真空シールを両立することが可能な磁性流体真空シールを採用しているが、その耐久性を確保するためには高速回転時の摩擦発熱を効率良く大気側に放熱し、温度上昇しにくいシャフト構成の材料開発が必要であった。
今回、放熱部材として熱伝導率がSUS材より桁違いに高いアルミや銅に着目、同心円状に精度良くSUS材で放熱部材をサンドイッチする形で一体化することが可能な独自の製法(MMS法)を考案し、直径Φ120の大口径3層(SUS/放熱部材/SUS)複合軸の試作に複数種類成功し、モデル機に適用可能な高熱伝導・複合回転シャフトの開発に目途を立てられたので報告する。