1GHz以上の高磁場&高均一度NMR/MRI開発向け要素技術の開発研究(2)
REBCO多芯テープ線材より作製したコイルの評価

R&D toward a high-field & high-homogeneity NMR/MRI developments over 1 GHz (2)
Experimental assessments for a coil prepared by using REBCO multi-core tape


松田 徹郎, 岡村 哲至 (東工大); 金 新哲, 許 一, 柳澤 吉紀, 高橋 雅人, 前田 秀明 (理研)


Abstract:NMRにおいては磁場が高いほど高感度のNMRスペクトルが得られ、より複雑なタンパク質などの分子構造が調べられることが知られている。そのため、現在運転されているLTS線材を用いたNMRシステムより、さらに高い電流を流すことができるREBCO線材を用いた1GHz以上のNMR開発が進められている。しかしながら現有のREBCO単芯テープ線材はテープ面に垂直な大きな遮蔽電流磁場より、磁場均一度が0.01ppm程度必要とされる高感度NMR開発にはまだ不十分である。それを解決しようとして、機械的な研削または化学的なエッチングまたはレーザ式などによるスクライビング線材が提案されているが、臨界電流と機械強度においてはまだ改善が必要であり、製作加工速度とコストにおいてはまだ量産に至らず開発段階である。それに対して、理研では線材の機械強度と臨界電流と遮蔽電流磁場の3つの必須要素において大きな向上を目指し、かつ量産可能なREBCO多芯テープ線材を開発したので[1]、そのコイルの評価を行った。このテープ線材を多芯化する方法の一つは、テープを長手方向に沿って折り曲げることにより内部スリットを入れること(REBCO層などのセラミックス層のみが切断される)であり、臨界電流を測定した結果から内部スリット一本あたりに臨界電流はわずか1〜2%しか降下しないことが得られている。今後、長さ5.6mのREBCO多芯テープ線材を作製し、小型のダブルパンケーキコイルに巻いて遮蔽電流磁場の低減効果とカップリングの時定数などを調べる予定である。
[1] 金新哲,前田秀明,“高温超伝導多芯テープ線、その製造方法、および製造装置”, 特願2014-164590,2014.08.12