1GHz以上の高磁場&高均一度NMR/MRI開発向け要素技術の開発研究(1)
REBCO多芯テープ線材の開発研究

R&D toward a high-field & high-homogeneity NMR/MRI developments over 1 GHz (1)
Development of the REBCO multi-core tapes


金 新哲, 大島 勇吾, 柳澤 吉紀, 前田 秀明 (理研); 小黒 英俊 (東北大)


Abstract:次世代の高分解能NMR/MRIには磁場均一度が0.01ppm以上の高磁場が求められている。高臨界電流を持つREBCO単芯テープ線材が市販されてから、これらの実現は可能性があるものの、まだいくつかの課題は残されている。その一つは線材のREBCO層が単芯テープであるため、テープ面に垂直な遮蔽電流磁場(反磁性)が大きく、本来磁場均一度の調整機能を果たすマグネット外側のシムコイルが効かなくなることである。遮蔽電流磁場のもう一つの影響はマグネットの中心磁場を降下させることである。そのため、REBCO単芯テープ線材の遮蔽電流磁場を下げることは、NMR/MRIのマグネット開発において重要な課題の1つである。それに対して、近年開発が進まれているレーザーによるスクライビング線材が挙げられる。そこで、我々理研横浜では製作加工が簡便かつ量産に向けたREBCO多芯テープ線材の開発を進めている[1]。REBCO多芯テープ線材とは、安全銅層からREBCO層まですべて切断するスクライビング線と異なって、REBCOなどのセラミックス層と他の金属層間の脆性の違いを利用して、金属層は切断せずにREBCO層(中間層)のみを切断した内部スリットを有する線材である。製作方法は、外部応力を印加した線材の各材料の異なる相応力による電気的な分離方法(Electrical separating by phase stress, ESPS)であり、具体的には、テープの長手方向に沿って折り曲げる方法(Electrical separating by bending stress, ESBS)と、部分的な圧力を加えることで応力集中させる方法(Electrical separating by pressure concentration, ESPC)などがある。ここでは、ESBS法による多芯テープ線材の作製と、それを用いた東北大金研と理研和光で行った機械強度と臨界電流および磁化での実験評価結果について発表する予定である。現在までの実験結果では、スリット1〜4本の多芯テープ線において、引張強度が800MPa以上で元の単芯テープ線材の90%以上であり、臨界電流も90%以上であることが測定されている。なお、テープ面に垂直な磁場2Tにおいて、スリット4本の多芯テープ線材の磁化はNMRに実用されているBi2223線材と同程度であり、磁場2T以上ではさらなる改善がみられた。引用文献:[1] 金新哲,前田秀明,“高温超伝導多芯テープ線、その製造方法、および製造装置”, 特願2014-164590,2014.08.12