非絶縁REBCOレイヤー巻コイルにおける励磁遅れ予測

Prediction of the charging delay time for uninsulated REBCO layer wound coils


柳澤 杏子, 名和 雅斗 (千葉大); 柳澤 吉紀 (理研); 中込 秀樹 (千葉大); 前田 秀明 (理研)


Abstract:線材の絶縁を使用しない非絶縁巻線法は、200 A/mm2を超える高電流密度の高温超伝導コイルの保護技術として使用できる可能性がある。しかし、非絶縁巻線法では、回路時定数に起因する励磁遅れ現象が一つの課題である。特に、均一磁場が必要とされるNMR 磁石ではレイヤー巻コイルが必要であるが、春の学会で発表したように(柳澤杏子他、2014年度春季低温工学・超電導学会、2A-a09)、レイヤー巻コイルでは励磁遅れが顕著に現れる。そこで本報では、レイヤー巻HTSコイルにおける励磁遅れを見積もる式を考案し、小型の非絶縁REBCOレイヤー巻コイルの実験結果と比較した。結果をもとに、1.2 GHz級NMR磁石における励磁遅れについて議論する。本研究の一部はJSPS科研費25289070の助成を受けたものである。