溶存酸素パーフルオロカーボンを用いた磁気分離装置の検討

A study on magnetic separator using the oxygen dissolved in the perfluorocarbon


三島 史人, 秋山 庸子, 西嶋 茂宏 (阪大)


Abstract:本研究では、食品や医薬品系有価物を、磁気力を用いて単離する装置の設計を行っている。一般にそれらの物質は反磁性を示し、水より少し高い密度を持っており、その単離には磁気アルキメデス分離法の適用が有効である。しかし、分離に用いられる作業媒体は、塩化マンガンや希土類系硝酸塩を溶解させた常磁性液体であるため、分離した物質に金属塩が付着したり、装置が腐食したりする問題がある。そこで、作業媒体として、パーフルオロヘキサンに酸素を加圧溶解させた溶存酸素パワフルオロヘキサンを用いた。大気圧下では、分離後の分離物質や装置内の表面に金属化合物は残存せず、さらに、作業媒体の再生も容易である。溶存酸素濃度はヘンリー則に従い、加圧により上昇する。溶存酸素濃度の上昇により、作業媒体の磁化率は上昇する。圧力制御によって、溶存酸素媒体の磁化率の制御が可能であった。その分離に必要な磁気力や圧力は計算から見積もられ制御された。その結果ついて報告する。