DI-BSCCOの臨界電流・機械強度改善に向けた開発状況

The latest developments of electromagnetic and mechanical performance in DI-BSCCO


菊地 昌志, 山崎 浩平, 中島 隆芳, 鍵山 知宏, 武田 宗一郎, 小林 慎一, 林 和彦, 佐藤 謙一 (住友電工); 長村 光造 (応用科学研); 下山 淳一 (東大); 北口 仁 (NIMS)


Abstract:当社は加圧焼成(CT-OP)法を導入して以降、臨界電流、機械強度などの線材性能が飛躍的に向上したこ
とを受けてBi2223線材(DI-BSCCO)を製品化しており、幅広い分野に対応するべく多様な品種を揃えている。DI-BSCCO品種のうち、金属テープでType Hを補強した高Ic・高強度を特長とするType HTでは、高い電流密度に加えて優れた機械特性が必要とされる高磁場マグネット分野に対してまだ課題があると考えており、品質改善に取り組んでいる。最近では、補強技術の最適化に加えて新たな補強材を用いたType HTを開発した結果、Type HT-CA50と同一線材寸法を有するR&D tapeにおいて液体窒素中の引っ張り強度が540MPaに到達するなど、従来のカタログスペックを大きく上回る強度を得ることに成功している。一方でキャリアドープ状態を制御することによってin-field Icが大きく向上することがわかってきており、商用Type HTのJe特性・機械特性の飛躍的向上を見込んでいる。本発表では、Type HTのin-field Je・機械特性改善のための具体的な方策を議論するとともに、最新の成果を報告する。