ヘリウムを用いたループ型サーモサイフォンの冷却性能評価試験

Performance Evaluation Test of Cryocooled Helium Thermosyphon Loop


青木 学, 安藤 竜弥 (日立)


Abstract:超電導マグネットの冷却に用いるヘリウムの枯渇が危惧されており、その使用量を低減する冷却方法の開発を進めている。そこで本研究では、閉ループ配管のみにヘリウムを自然循環させて冷却するループ型サーモサイフォンを検討し、4KGM冷凍機で冷却された高低差300mmとなる小型試作品で配管の実効熱伝導率や除熱限界といった冷却性能を評価した。温度4〜5Kの気液二相流で評価した実効熱伝導率は、0.6Wまでの入熱範囲で無酸素銅の約11倍まで到達し、温度10〜30Kとなる単相ガスで評価した実効熱伝導率は2.5Wまでの入熱範囲で無酸素銅の約3倍まで到達した。単層ガスでの実効熱伝導率は無酸素銅と比較して圧倒的な優位性はないが、装置の高低差を大きくするなど流速を高める設計にて向上が図れるものと考えている。